糖尿病予備軍の段階で合併症は起こるのか?
糖尿病になると壊疽や神経障害、糖尿病網膜症など色々な合併症が起こることがありますが、では、糖尿病予備軍の場合は合併症が起こるのでしょうか?
自覚症状としては何も起こりません。
ですが糖尿病予備軍の人は食後血糖値が高くなることが多く、いわゆる食後限定の糖尿病になっている人がいます。
このような人は高血糖で血管がダメージを受けており、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などを起こす確率が高くなります。
しいて言えばこれが予備軍の人の合併症と言えるのではないでしょうか?
糖尿病予備軍の合併所について調べているほどの人であれば糖尿病についての危機感はある程度備わっているということです。
でしたらその危機感をぜひ予防に繋げてみませんか?
発症した後の治療努力に比べれば、健康に限りなく近い今の予防努力のほうが絶対楽ですよ。
糖尿病で障害年金は申請できるのか
糖尿病はそれ単体より合併症のほうが恐ろしい病気ですが、糖尿病を発症している場合、障害年金を申請できるのかというご質問をされてくる方が結構います。
結論から言って糖尿病単体で障害年金を申請しても審査に通ることは難しいでしょう。ただ、合併症による腎不全で人工透析を受けるようになった場合や壊疽で手足を切断し介助無しで日常生活を送ることが困難になった場合は受給できる可能性が出てきます。
人工透析になると何時間も病院に拘束されることになりますし、体力的にも辛くなります。週に2回、3回受けるのが普通のようですが年齢を重ねたり病状が悪化すればその回数は増えていくでしょうから普通に仕事を続けることも難しくなるでしょう。
障害年金の障害認定日は通常、初診日から1年6カ月経過している必要がありますが、人工透析など特定の条件を満たす場合は特例措置があって透析の場合は開始から3ヶ月経過後が障害認定日となり1年6カ月を待たなくてもOKになります。
障害年金の額ですが、認定された等級や初診日にどの年金制度に加入していたかによっても違ってきます。厚生年金の方は障害厚生年金、自営業やフリーターなど国民年金の場合は障害基礎年金になります。
例えば初診日が国民年金だった場合で認定等級が基礎3級だった場合、年金はもらえません。
これが厚生年金だった場合は3級でも年金が貰えます。
ですので厚生年金に加入されておくほうが手厚い保障をを受けられるということですね。厚生年金の場合、たとえ等級に該当しなくても労働に制限が加わる病状がある場合「障害手当金」を受給できる可能性があるところも有難いです。
まあ障害年金を視野に入れないといけないほど病状を悪化させないことが一番なのは言うまでもありません。
糖尿病治療の第一目標は合併症を発症させないことにある
糖尿病で血糖値を高い、HbA1cが高いと言われてもよっぽどの重度でない限り自覚できる異変は感じにくいです。
だから痛くも痒くもないという具合に放置したり、食事運動の各種療法の面倒臭さに耐えかねてつい予防をサボってしまいがちになりますが血糖値が高くなるとたとえ軽度であっても確実に血管や神経にダメージを蓄積させています。
ですから一度でも糖尿病予備軍(境界型糖尿病)や糖尿病を発症してしまうと、たとえ治療で血糖値など糖尿病判断の数値が安定してもそこから約10年はまた症状が悪化しやすい体質になっています。
そして再発した時に以前は数値上の異変のみで大した自覚症状は出なかったのに今度は一気に血糖コントロールが乱れ、網膜症や脳梗塞、腎症などの合併症にいともたやすく移行してしまうこともあります。
糖尿病自体は血糖コントロールが上手くできればそれほど恐れる必要のない病気ですが、それが出来なかった時やサボってしまった時に糖尿病の最終段階である合併症が最も恐ろしいのです。
このことから糖尿病予防、糖尿病治療の第一目標はいかに合併症を発症させないかになってきます。
当たり前のことですが予防は早けれ早いほうが合併症のリスクは減ります。
糖尿病患者の死因の多くは合併症によるものです。
もし発症してしまえば、今度は薬を飲むだけでは治まらず介護が必要になって家族に負担をかけてしまったり自分自身も生活の自由を一気に奪われて「何のために生きているんだ?」みたいな鬱状態になりかねません。
さらにあまりご存じの方はいないかもしれませんが、糖尿病になると認知症のリスクが健康な人の2倍〜4倍になります。
さらに糖尿病の方の場合は老後に施設に入れないこともあるそうです。
認知症になってしまったら、壊疽で義足や車いすになってしまったら、人工透析に通わなくてはいけなくなったら、いろいろなifが思い浮かびますが介護してくれる家族がいなかったり施設に入れなかったら死ぬしかありません。
誤解されている方も多いのですが合併症は重度の糖尿病の方だけがなるわけではありません。
健康診断で数値上の異常を指摘してもらえる機会があることは幸運だと思って、もし指摘項目があるのであれば10年後、20年後の自分のために家族のために予防に乗り出す時です。
合併症になれば飲む薬の量も増える、心配も増える、負担もかける
合併症になるとその障害のために飲む薬の種類や量が増えます。
さらに腎症になれば人工透析が、網膜症で失明すれば介護がなくては生活が難しいです。
そこにダブルパンチで認知症でも加われば自分ではまったく予防活動や治療活動が出来なくなってしまいます。
要するに貴方を生かすも殺すも家族次第、一人身であれば運命のままに・・・ということになります。
ここでなぜ合併症を避けなければならないかと聞かれれば、それが死因に繋がるという理由もありますがそもそも年をとってから治療のための自己管理がかなり難しくなるからです。
何度も言いますが年をとれば自然劣化で体にガタがきます。
その上で合併症が加われば苦しい目に合うことは目に見えています。苦しい目に合うのは貴方だけではありません、家族も巻き込まれます。
もし自己管理が困難になった時に何種類もの飲むタイミングがバラバラの薬を忘れずに飲んで、毎週のように検診に行って、検査を受けて、それでも「自分のことは自分で出来る!」と胸を張って言えるでしょうか?
自分で管理が出来なくなったら誰が他人にやってもらうしかありません。
我が家でも祖父がまさに介護&家族が病気の管理をしなければいけないのでとても大変です。
専門医の検診を受けるために遠方の病院に連れていって何時間も待って、家に居る時も低血糖症や高血糖になって倒れてしまうこともあるので夜中にウンチまみれのパンツやベッドのシーツの交換をしなければならなくなります。
症状が落ち着くまで私たちは眠ることもできません。
もし旦那さんが貴方自身がそうなった時に
薬を管理しくれる人はいますか?
トイレ、食事、風呂など生活補助をしてくれる人はいますか?
病院に連れて行ってくれる人がいますか?
突発的な低血糖症など危険な時にすぐに対応してくれる人はいますか?
管理してくれる人がいない時、介護施設に確実に入れるのでしょうか?
今じゃないですよ、年をとって体にガタがきて合併症が酷くなって介護が必要になった時のことです。
私も一時期、糖尿病の当事者だったので祖父を見ていると自分が重度の合併症になった時に妻に負担をかける、子供にも我慢をさせることがとても心苦しく感じてしまいました。
※我が家の介護体験談はコチラの記事でご紹介しています。
このように介護が必要なレベルの合併症になればいずれ薬を管理して飲ませてくれる人、食事やトイレ、風呂の介助をしてくれる人、病院に送り迎えして定期健診をうけさせてくれる人などお世話係が必要です。
そうなったときに奥さん(夫)に先立たれた方や家族が遠方に住んでいて援助が受けられない方、施設への入所を断られた方は一気に死亡のリスクがアップするわけです。
自分でいろいろ動ける時期は良くても将来的に上記のような事態になる覚悟も必要になってきます。
老化+合併症になれば、いすれ気合いや根性だけではどうにもならなくなる時が必ず訪れます。
たとえ家族が世話を焼いてくれる可能性があるにしても家族同士が愚痴をこぼしてイライラ喧嘩しながら貴方の世話をしている姿を想像すると「自分は家族にとって邪魔だから死んだほうが良いのではないか」と思ってしまうかもしれません。
悲しい結末を迎えないためにも糖尿病の合併症は絶対阻止しまなければなりません。
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